故人のLINE Pay・PayPayなどキャッシュレス決済の解約方法

故人のLINE Pay・PayPayなどキャッシュレス決済の解約方法

故人のスマホに残ったPayPayや電子マネー。少額だからと後回しにされがちですが、残高は相続財産です。相続人の一人が勝手に使うことはできず、相続税の申告が必要な場合は申告書にも記載します。この記事では、使っていた決済サービスの調べ方、サービスごとの扱いの違い、そして残高への対応の進め方を整理します。

この記事のポイント

  • スマホ決済の残高は相続財産。使う前に金額を確認し、相続人で共有する
  • PayPayは規約改定により、相続人が残高の払い戻しを受けられるようになった
  • LINE Payは2025年4月30日に国内サービスを終了。現在は法律に基づく払戻しの案内が出ている
  • 扱いはサービスごとに異なり、規約改定で変わることもある。必ず最新の公式案内を確認する

基本知識:残高は相続財産として扱われる

スマホ決済の残高は、預貯金と同じように相続財産にあたります。遺産分割協議が終わるまでは相続人全員の共有財産なので、誰か一人が勝手に使い切ることはできません。金額によっては、相続税の申告書に記載する必要もあります。

一方で、扱いはサービスごとにまったく異なります。相続人が払い戻しを受けられるサービスもあれば、払い戻しの制度がなく、実務上は残高を使い切る形で整理されるサービスもあります。同じサービスでも規約の改定で扱いが変わることがあるため、その時点の公式案内を確認するのが確実です。

故人のアプリに勝手にログインしない

残高を確認したいからといって、故人のIDやパスワードでログインするのは避けてください。規約に反するおそれがあるうえ、ほかの相続人との間で「勝手に動かした」というトラブルにもなりかねません。相続人であることを示す書類をそろえて、各社の窓口から進めるのが正しい手順です。

今すぐできる対処法

手順1:どの決済サービスを使っていたか洗い出す

複数を併用している方が多いため、ここが最初の関門です。次の4か所を確認すると、ほとんどのサービスは見つかります。

確認する場所見るポイント
スマホのアプリ一覧ホーム画面だけでなく、フォルダの中やアプリ一覧も確認する
銀行の通帳・明細決済サービス名でのチャージ履歴。オートチャージの設定が残っていないか
クレジットカードの明細カードからのチャージ、○○ペイ経由の支払い
財布の中交通系ICカード、nanaco・WAON・楽天Edyなどのカード型

手順2:サービスごとの扱いを確認する

大まかな傾向は次のとおりです。ただし細かな条件は各社の案内によるため、必ず公式ページで確認してください。

種類一般的な扱い
PayPay など
QRコード決済
アカウントに利用者の情報が紐づいているため、相続の手続きができることが多い。PayPayは規約の改定により、相続人が残高の払い戻しを受けられることが明記された
Suica・PASMO など
交通系ICカード
死亡が分かる書類と請求者の本人確認書類で、払い戻しを請求できるのが一般的。無記名のカードは利用者を特定できず、難しい場合がある
nanaco・WAON・楽天Edy など
カード型の電子マネー
会員登録をしていないカードは利用者を特定できず、運営会社での手続きができない場合がある。扱いは規約により、改定されることもある
LINE Pay2025年4月30日に日本国内でのサービスを終了(次の項で詳しく説明します)

手順3:オートチャージと支払い方法を止める

決済アプリにクレジットカードや銀行口座が登録されたままだと、オートチャージが続いたり、サブスクの支払いが通り続けたりすることがあります。カードの解約や口座の凍結とあわせて、支払い方法の切り替えも確認してください。

LINE Payの残高はどうなったのか

LINE Payは、2025年4月30日をもって日本国内でのモバイル送金・決済サービスを終了しました。PayPay残高への移行と、銀行振込・登録口座への出金の受付は、いずれも同年4月に終了しています。

それ以降は、資金決済に関する法律に基づく払戻しの公告により、指定の銀行口座への払戻し対応が案内されています。故人のスマホにLINE Payの残高が残っている場合は、LINE Payのサービス終了に関する特設サイトで、その時点の案内を確認してください。

現在、LINE上で使われている決済サービスはPayPayです。LINEアカウントそのものの扱いは、亡くなった人のLINEはどうなる?で説明しています。

具体的なトラブル事例(一般化した事例です)

父親のスマホにPayPayが入っていることに気づいたGさんは、「少額だから」と自分の判断で残高を使い切りました。あとから遺産分割の話し合いになった際、ほかの相続人から指摘を受け、気まずい思いをしたそうです。金額の大小にかかわらず、残高は相続財産です。先に金額を確認し、相続人で共有しておけば防げました。

別の事例では、故人の銀行口座からのオートチャージが止められておらず、決済アプリに数か月分のチャージが続いていたことに、通帳の記帳で初めて気づいたという相談もあります。

専門家に相談すべきケース

残高が少額で、サービスも1〜2つであれば、ご家族だけで進められます。次のような場合は、専門家に相談すると整理しやすくなります。

こんなとき相談先
決済サービスや契約がどれだけあるか分からない。何から手をつければいいか整理したい行政書士(デジタル遺品の棚卸し、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成)
残高が大きく、相続税の申告に含める必要がありそう税理士
不動産の名義変更(相続登記)もある司法書士
残高の扱いをめぐって相続人の意見が対立している弁護士

よくある質問(FAQ)

どのスマホ決済を使っていたか分からない場合はどうすればいいですか?

スマホのアプリ一覧、銀行の通帳、クレジットカードの明細から手がかりを探せます。とくに通帳のチャージ履歴は、アプリを開かなくても確認できるので有効です。

残高は相続できますか?

残高は相続財産にあたります。ただし払い戻しを受けられるかどうかはサービスごとに異なり、規約で相続人への払い戻しが明記されているものと、そうでないものがあります。

少額なので、そのまま使ってしまってもよいですか?

金額にかかわらず相続財産なので、相続人の一人が勝手に使うことはできません。先に残高を確認し、ほかの相続人と共有してから進めてください。

LINE Payの残高はどうなりますか?

LINE Payは2025年4月30日に日本国内でのサービスを終了しました。PayPay残高への移行や出金の受付も終了しており、現在は法律に基づく払戻しの公告による対応が案内されています。

故人のアプリにログインして残高を確認してもよいですか?

避けてください。規約に反するおそれがあり、ほかの相続人とのトラブルにもなりかねません。相続人であることが分かる書類をそろえて、各社の窓口から手続きを進めましょう。

まとめ

スマホ決済の残高は、少額でも相続財産です。まずはアプリ一覧と通帳から使っていたサービスを洗い出し、残高を確認して相続人で共有するところから始めてください。扱いはサービスごとに異なり、LINE Payのようにサービス自体が終了することもあります。判断に迷ったら、勝手に使わず各社の窓口に確認するのが確実です。

故人のアカウントや契約の手続き全体は、故人のアカウント・デジタル遺品の手続きまとめで確認できます。

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深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

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深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 郡山居住・不動産所有経験あり

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に居住し、マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題を現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

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