ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの死亡解約|4社の窓口・必要書類・承継の違い【行政書士解説】

ご家族が亡くなったあと、スマホの契約をどうすればいいのか迷っていませんか。「どの書類を持って、どこへ行けばいいのか」「電話番号を残す方法はあるのか」「ポイントや残高は消えてしまうのか」。携帯会社によって窓口も必要な書類も少しずつ違うため、調べるだけで疲れてしまう方が少なくありません。
この記事では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社について、契約者が亡くなったときの「解約」と「承継(名義の引き継ぎ)」の手続きを、各社の公式案内をもとに並べて整理します。
この記事のポイント
- 手続きは「解約」と「承継(電話番号ごと家族が引き継ぐ)」の2つ。先にどちらにするかを決める
- ドコモ・au・ソフトバンクは店舗、楽天モバイルは郵送で手続きする
- 大手3社は会葬礼状なども死亡を確認する書類として使える。楽天モバイルは戸籍謄本などのコピーが必要
- ポイントや決済残高は、解約・承継で失効したり引き継げなかったりする。手続きの前に確認する
まず決めること:「解約」か「承継」か
契約者が亡くなったときの手続きは、どの会社でも大きく2つに分かれます。回線をやめる「解約」と、ご家族が電話番号ごと契約を引き継ぐ「承継」です。どちらを選ぶかで、持っていく書類も変わります。
| 解約 | 承継(名義の引き継ぎ) | |
|---|---|---|
| 電話番号 | なくなる | 家族がそのまま使える |
| 向いているケース | 誰も使う予定がない。料金を早く止めたい | 親戚や知人に知られた番号を残したい。家族がその回線を使う |
| 主な書類 | 死亡を確認できる書類+手続きする人の本人確認書類 | 上記に加えて、相続関係が分かる戸籍謄本など、新しい契約者の支払い方法 |
| 注意点 | ポイントが失効することがある。番号はいずれ別の人に割り当てられる | 未払いの料金も一緒に引き継ぐことがある |
相続放棄を考えているなら、承継は急がない
たとえばドコモは、承継で引き継ぐものとして「未払い料金」を明記しています。借金などがあって相続放棄を検討している場合は、承継や残債の支払いをする前に方針を決めてください。料金や端末代の残りを誰が払うのかは、亡くなった人の携帯電話の解約と、料金の支払い義務で詳しく説明しています。
4社比較:窓口・死亡を確認できる書類・手数料
まずは全体像です。各社の細かい条件は、このあとの会社別の見出しで説明します。
| 会社 | 手続きの方法 | 死亡を確認できる書類の例 | 手数料 |
|---|---|---|---|
| ドコモ | 店舗(ドコモショップ/d garden) ※ahamoは郵送 | 葬儀の案内状、死亡診断書、住民票(除票)、戸籍謄本、埋葬許可証など | 解約・承継とも無料 |
| au | 店舗(au Style/auショップなど) ※UQ mobileはUQ店舗も可 | 戸籍謄本、除籍謄本、住民票(除票)、会葬礼状、新聞のお悔やみ欄、死亡診断書、火葬許可証、法定相続情報一覧図など | 承継は事務手数料不要 |
| ソフトバンク | 店舗(ソフトバンクショップ) | 会葬案内状、新聞のおくやみ欄、戸籍謄本、住民票(除票)、死亡診断書、埋葬許可証など | 店舗で確認 |
| 楽天モバイル | 郵送(完了まで約2週間) | 戸籍謄本、除籍謄本、住民票(除票)、死亡診断書などのコピー | 承継は3,300円(税込)。解約の送料は申し出る人の負担 |
※2026年10月時点の各社公式サイトの案内をもとに整理しています。条件は変わることがあるため、来店・郵送の前に記事末尾の公式ページで最新情報をご確認ください。
大手3社は、葬儀の際にお渡しする会葬礼状や新聞のお悔やみ欄でも、死亡を確認する書類として認められています。役所で戸籍をそろえる前でも、解約の手続きは進められるということです。一方、楽天モバイルは郵送のみで、戸籍謄本や死亡診断書などのコピーが必要になります。
ドコモの契約者が亡くなったとき
解約する場合
ドコモショップまたはd gardenで手続きします。持っていくものは次の3つです。
- 死亡を確認できる書類(葬儀の案内状、死亡診断書、住民票の除票、戸籍謄本、埋葬許可証など)
- 故人のドコモUIMカード/eSIMカード
- 来店する人の本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード)
事務手数料はかかりません。解約日までに使った分の料金は請求されます。端末代の分割払いが残っている場合は、そのまま支払いを続けるか、一括で支払って終えるかを選びます。
注意したいのはdポイントです。解約すると、貯まっていたdポイントは失効します。また、UIMカードを返却する前に、電話帳の情報を控えておくようドコモは案内しています。
承継する場合
承継もドコモショップまたはd gardenで手続きし、手数料は無料です。相続関係が分かる戸籍謄本・抄本(コピー可)、新しく契約者になる人の本人確認書類(運転免許証またはマイナンバーカード。現住所が記載されたもので、コピー不可)、月々の支払いに使うクレジットカードやキャッシュカードなどを用意します。戸籍で死亡の事実が確認できない場合は、葬儀の案内状や死亡診断書も必要です。
継続利用期間や割引、そして未払いの料金は引き継がれます。一方で、個人名義のdポイントクラブ・dポイント・d払い残高、dアカウントは引き継げません。d払いに残高がある場合は、手続きの前に扱いを窓口で確認しておきましょう。端末代の分割払いを引き継ぐ場合は審査があります。ドコモ光とペアの回線になっている場合は、同じ名義にそろえる必要があります。
ahamoの場合
ahamoは店舗ではなく、郵送で手続きします。申込方法はahamoの公式サイトで案内されています。
auの契約者が亡くなったとき
解約する場合
auの店舗(UQ mobileの場合はUQ mobileの店舗でも可)に来店して手続きします。原則として、ご家族が来店するよう案内されています。必要なものは、来店する人の本人確認書類と、死亡を確認できる書類1点です。
auが死亡を確認する書類として認めているのは、戸籍謄本、除籍謄本、住民票(除票)、会葬礼状、新聞のお悔やみ欄、死亡届(受理印のあるもの)、死亡診断書、火葬(埋葬)許可証、香典返しや斎場使用料の領収書(故人のフルネームの記載が必要)、法定相続情報一覧図などです。故人と来店する人の姓や住所が違う場合は、戸籍謄本や住民票など、家族関係が分かる書類も必要になります。
承継する場合
au Style/auショップ、トヨタ au取扱店で手続きします。承継の場合、事務手数料はかかりません。印鑑、新しい契約者の本人確認書類、月々の支払い手続きに必要なもの、承継を証明する書類(戸籍謄本・除籍謄本・住民票・法定相続情報一覧図のいずれか。コピー可、発行から3か月以内)を用意します。書類には、故人と承継する人の相続関係と、死亡の事実の記載が必要です。死亡の記載がない場合は、死亡診断書や会葬礼状などを追加で持っていきます。
回線は引き継げますが、au PAYの残高、Pontaポイント、au IDなどは、サービスによって引き継げない場合があります。残高やポイントが多く残っているときは、手続きの前にauの窓口で確認してください。承継した月の料金は、承継した人にまとめて請求されます。
ソフトバンクの契約者が亡くなったとき
ソフトバンクショップで、解約と承継のどちらも受け付けています。法定相続人が手続きする場合に必要なものは次の3つです。
- 来店する人の本人確認書類
- 死亡を確認できる書類(会葬案内状、新聞のおくやみ欄、戸籍謄本、住民票の除票、死亡診断書、埋葬許可証など)
- 故人のUSIMカード
故人と来店する人の姓が違う場合は、家族であることを確認する書類が追加で必要です。端末代の分割払い(割賦)の残りは、解約しても支払いが続きます。法定相続人のほか、相続財産清算人、後見人、死後事務の委任を受けた人なども、それぞれ必要書類をそろえて手続きできます。
ソフトバンクの回線と一緒にPayPayを使っていた方も多いはずです。PayPayの残高は相続財産になるため、故人のPayPay残高の相続手続きもあわせて確認してください。
楽天モバイルの契約者が亡くなったとき
楽天モバイルは、大手3社と違って郵送での手続きです。申し出ができるのは、原則として二親等以内の親族に限られます(解約は終身サポート事業者も可)。どちらの手続きも、書類が届いてから完了までおよそ2週間かかります。
解約する場合
公式サイトの「ご契約者様逝去時 解約申込書」に記入し、故人が亡くなったことを確認できる書類(戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票、死亡診断書など)のコピー、故人との関係が分かる書類のコピー、申し出る人の本人確認書類のコピーを同封して送ります。送料は申し出る人の負担です。
解約月までの利用料金は翌月に請求され、分割で購入した製品代金はクレジットカード会社から請求されます。なお、相続放棄をした人からの申請は受け付けていないと案内されています。
承継(契約者変更)する場合
「ご契約者様逝去時 契約者変更申込書」に、新しい契約者の住民票の写し(発行から6か月以内の原本)、戸籍謄本または除籍謄本のコピー、逝去を確認できる書類のコピーを添えて郵送します。審査のあと、my 楽天モバイルで契約者変更の手続きを行います。手数料は3,300円(税込)で、新しい契約者の初回請求に合算されます。
新しい契約者は楽天会員への登録が必要です。分割払い中の製品代金は、契約者変更後も故人あての請求が続き、楽天モバイルでは変更を受け付けていないため、クレジットカード会社への連絡が必要になります。楽メールのデータは引き継げません。楽天ポイントや楽天カードなど、楽天のほかのサービスの扱いは故人の楽天ポイント・楽天カード・証券・銀行の手続きで整理しています。
解約の前に確認しておきたい4つのこと
回線の解約は、いったん済ませると元に戻せません。窓口に行く前に、次の4点を確かめておきましょう。
解約前チェックリスト
- 写真や連絡先を保存したか。端末本体は解約しても手元に残りますが、通信ができなくなるとクラウドの写真に届かなくなることがあります。スマホが開かない場合は親のスマホが開かないときの対処法へ
- その電話番号で登録しているサービスはないか。LINEは電話番号ひとつにつきアカウントがひとつの仕組みのため、解約した番号が別の人に割り当てられると、故人のアカウントが使えなくなることがあります。詳しくは亡くなった人のLINEはどうなるかで説明しています
- 家族割や光回線のセット割に入っていないか。故人の回線をやめると、ほかのご家族の割引が変わることがあります
- 端末代の残りと、端末を返却するプログラムの利用がないか。残債の扱いや、返却型のプログラムを使っていた場合の手続きは、窓口で確認しましょう
ここに挙げた4つ以外にも、メール、SNS、サブスク、ネット金融など、スマホを入口にした契約は多くあります。解約・初期化の前に確認したい項目は、亡くなった親のスマホはどうする?解約・初期化前に確認する15項目にまとめています。
具体的なトラブル事例(一般化した事例です)
ショップに行けば済むと思っていたら、郵送の手続きだった
父親を亡くしたGさんは、会葬礼状を持って近くの携帯ショップに向かいました。ところが父親の契約は楽天モバイルで、手続きは郵送のみ。しかも会葬礼状ではなく、戸籍謄本や死亡診断書のコピーが必要でした。役所で書類をそろえ直し、完了まで1か月近くかかりました。まず契約先と、その会社の手続き方法を確かめることが大切です。
番号を残すために承継したら、未払い料金も引き継いでいた
母親の電話番号を残したいと考えたHさんは、すぐに承継の手続きをしました。その後、母親に借金があったことが分かり、相続放棄を検討することになりました。承継の際に未払いの料金も引き継いでいたため、どう対応すべきか専門家に相談することになりました。相続の方針が決まる前は、承継や支払いを急がないことをおすすめします。
専門家に相談すべきケース
携帯電話の解約そのものは、ご家族だけで進められます。次のような場合は、専門家に相談すると全体の見通しが立てやすくなります。
| こんなとき | 相談先 |
|---|---|
| 携帯のほかにも、契約やアカウントがどれだけあるか分からない。戸籍の取り寄せも含めて整理したい | 行政書士(デジタル遺品の棚卸し、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成) |
| 借金が見つかり、相続放棄を検討している | 弁護士・司法書士(相続放棄の申述は、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ) |
| 不動産の名義変更(相続登記)がある | 司法書士 |
| 相続人の間で意見が対立している | 弁護士 |
見送ったあとの手続きと、これからの備え
ご家族を亡くされたあとの手続きは、ひとりで抱えるには多すぎます。いまのお困りごとと、この先の備え。どちらからでもご相談いただけます。
いま、手続きで手が止まっている方へ
スマホやネットのアカウント、解約できていない契約、相続に必要な書類。状況をうかがい、何から手をつければよいかを一緒に整理します。
※携帯会社での解約・承継の代理手続きや、パスワードの解析・ロック解除の代行は行っていません。登記・税務・相続トラブルは、提携する各専門家へおつなぎします。
残されたお母さま・お父さまのために
今回の手続きで苦労したことは、次に備えておけることでもあります。実家のこと、お金のこと、スマホの中身。親御さんがお元気なうちに、決まっていることと手つかずのことを確かめておきませんか。
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クロフネ行政書士事務所|行政書士・宅地建物取引士 深沢文敏
よくある質問
Q. 電話だけで解約できますか?
A. 各社の公式案内では、ドコモ・au・ソフトバンクは店舗での来店手続き、楽天モバイルとahamoは郵送での手続きとされています。電話で問い合わせることはできますが、手続きそのものは店舗か郵送で行うと考えておきましょう。
Q. 戸籍謄本がまだ手元にありません。先に解約できますか?
A. ドコモ・au・ソフトバンクでは、会葬礼状(葬儀の案内状)や新聞のお悔やみ欄、死亡診断書なども死亡を確認する書類として案内されています。解約だけであれば、戸籍がそろう前でも進められることがあります。承継の場合は、相続関係が分かる戸籍謄本などが必要です。
Q. 故人のポイントや決済の残高は引き継げますか?
A. 会社とサービスによって違います。ドコモでは解約するとdポイントが失効し、承継でもdポイントやd払い残高は引き継げません。auも、au PAY残高やPontaポイントは引き継げない場合があるとしています。残高が多いときは、手続きの前に窓口で扱いを確認してください。
Q. 解約したら、端末も返さないといけませんか?
A. 解約で返すのは、主にSIMカード(UIMカード/USIMカード)です。購入した端末本体は手元に残ります。ただし端末を返却するタイプのプログラムを使っていた場合は扱いが異なるため、窓口で確認しましょう。
Q. 解約するまでの料金は、誰が払うのですか?
A. 解約日までの料金は請求されます。支払い義務は相続と関わるため、相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。詳しくは亡くなった人の携帯料金の支払い義務をご覧ください。
まとめ
故人の携帯電話の手続きは、まず「解約」か「承継」かを決め、契約していた会社の窓口と必要書類を確かめるところから始まります。大手3社は店舗で、会葬礼状などでも手続きが進められます。楽天モバイルは郵送で、戸籍などのコピーが必要です。どの会社でも、ポイントや残高、電話番号に紐づくサービスは、解約の前に確認しておきましょう。
携帯以外の契約やアカウントも含めた手続きの全体は、故人のアカウント・デジタル遺品の手続きまとめで確認できます。
参考:各社の公式案内(2026年10月確認)
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