親が亡くなった後、実家の片付けは何から?捨てる前に確認する20項目

親が亡くなった後、実家の片付けは何から?

先に結論

親が亡くなった後の実家では、すぐに「捨てる作業」から始めないのが基本です。まず、①相続放棄を検討する事情がないか、②遺言・重要書類、③預金・借入れの手掛かり、④郵便物・契約、⑤スマホ・デジタル情報の順に確認し、判断できない物はいったん保管します。

親が亡くなったあと、久しぶりに実家へ入ると、郵便物、書類、家具、衣類、スマホ、通帳らしきものが一度に目に入ります。

このページは、死亡届や葬儀などの一般的な「死亡後の手続き一覧」ではありません。実家の中で、片付ける前に確認しておきたいことに絞ったチェックリストです。

実家には、不動産・預金・保険・契約・人間関係・デジタル情報の手掛かりが残っています。最初の目的は部屋を空にすることではなく、後で必要になる情報を失わないことです。

AUTHOR / 最終更新 2026-09-14

深沢 文敏(ふかさわ ふみとし)

クロフネ行政書士事務所 代表。行政書士・宅地建物取引士。実家・家族の情報整理、家族会議、必要な専門家への接続を支援しています。決めるのはご家族、整えるのが私たち、という立場で情報を提供しています。

実家の片付けを始める前に、最初に確認することは?

1|相続放棄を検討する事情がないか
借金や保証債務がありそう、財産状況が全く分からない、といった場合は、価値のある遺品を売却・処分する前に専門家へ確認してください。相続放棄の申述期間は原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月です。

2|遺言書らしきものがないか
自宅で自筆証書遺言らしき書面を見つけた場合は、開封や処理を急がず、検認の要否を確認します。法務局保管の自筆証書遺言など、検認が不要なものもあります。

親が亡くなった実家で、捨てる前に確認する20項目

全部を一日で終える必要はありません。まずは「ある・ない・未確認」の3択で印を付けてください。

A|遺言・重要書類

  1. 遺言書・エンディングノート — 机、仏壇周辺、金庫、重要書類ファイルなど。
  2. 不動産関係の書類 — 登記識別情報、権利証、固定資産税納税通知書、売買契約書、測量・境界資料。
  3. 生命保険・損害保険の書類 — 保険証券、契約内容のお知らせ、引落し通知。
  4. 年金・医療・介護関係の書類 — 年金通知、介護保険、施設、ケアマネジャー等の資料。

B|預金・財産・借入れ

  1. 預金通帳・キャッシュカード — まず金融機関名を把握。暗証番号を無理に推測しない。
  2. 証券会社・投資関係の郵便物 — ネット証券も郵送物・メール等が手掛かりになります。
  3. 現金・貴金属・時計・骨董等 — その場で分けず、写真と一覧を残して保管。
  4. 借入れ・カード・ローンの手掛かり — 請求書、返済予定表、督促、カード会社の郵便物等。

C|家・継続契約

  1. 郵便物 — 銀行、保険、カード、自治体、管理会社等の封筒を分類。
  2. 電気・ガス・水道 — 片付け・管理に必要かを確認してから停止を判断。
  3. 火災保険・地震保険 — 実家を残す間の契約条件を保険会社へ確認。
  4. 固定資産税・管理費・町内会等 — 継続して発生する費用と連絡先を把握。

D|人・現地の連絡先

  1. 親族・きょうだいの連絡先
  2. 近所・自治会・マンション管理人
  3. 病院・薬局・介護関係者
  4. 修繕・管理関係の契約先 — 工務店、庭木、浄化槽、警備、空き家管理等。

E|スマホ・デジタル

  1. スマートフォン・携帯電話 — 通信会社、電話番号、端末を確認。
  2. パソコン・タブレット・外付け媒体
  3. メール・SNS・サブスクの利用有無
  4. ネット銀行・ネット証券・ポイント等

最初の帰省では、何から順番に進める?

STEP 1|家全体を写真で残す

STEP 2|遺言・借入れ・重要書類を探す

STEP 3|郵便物と継続契約を分ける

STEP 4|スマホ・パソコンを保全する

STEP 5|処分候補を家族で共有する

実家の物は、相続人の一人が勝手に捨てていい?

財産的価値がある物や、他の相続人が取得を希望する可能性がある物は、独断で処分しない方が安全です。少なくとも、作業前の写真、残す候補の一覧、家族への共有記録を残しましょう。

詳しくは、「実家の片付け、相続人全員の同意は必要ですか」をご覧ください。

スマホや電気・ガスは、すぐ解約した方がいい?

一律に「すぐ解約」が正解ではありません。スマホはSMS認証や連絡先、契約確認の手掛かりになり、電気・水道は片付けや建物管理に必要になることがあります。用途を確認してから各事業者の正式な手続きへ進みます。

期限がある相続手続きは?

  • 相続放棄・限定承認:原則、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内。
  • 相続税:申告が必要な場合、相続開始を知った日の翌日から10か月以内。
  • 相続登記:相続で不動産を取得したことを知った日から原則3年以内。

FREE CHECKLIST

A4版「実家で捨てる前に確認する20項目」

「ある・ない・未確認」を書き込める帰省用チェックリストです。

よくある質問

Q. 実家の片付けに法的な期限はありますか?

片付け自体に一律の期限があるわけではありません。ただし、相続放棄、相続税、相続登記などには期限があります。

Q. 遺言書を見つけたら開けてもいいですか?

封印された遺言書は自分で開封せず、検認の要否を確認してください。法務局保管の自筆証書遺言などは扱いが異なります。

Q. 遠方なので何度も帰省できません。

最初の帰省で処分まで終わらせず、写真、重要書類、郵便物、契約先、スマホの確認を優先します。

Q. 兄弟で片付けの意見が違います。

残す物、価値確認が必要な物、保留する物を分けます。紛争性が生じている場合は弁護士相談が必要になることがあります。

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一次情報・参考

本ページは一般的な情報整理を目的としたもので、個別事案に対する法的・税務上の助言ではありません。相続登記は司法書士、相続税は税理士、相続人間の紛争や相続放棄の個別判断は弁護士等へご確認ください。

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深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

AUTHOR

深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 郡山居住・不動産所有経験あり

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に居住し、マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題を現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

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