成年後見制度の費用はいくら?年間報酬相場を解説

成年後見制度の費用はいくら?年間報酬相場を解説

成年後見制度の費用はいくら?年間報酬相場を解説

深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

AUTHOR

深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 🏠 郡山5年在住・震災経験

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に5年間居住し、東日本大震災を現地で経験。マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題や災害への備えを現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

→ 実家承継ワンストップサービスの詳細を見る

「成年後見制度を使うと、費用はいくらかかるのか」——これは家族信託と並んで、認知症対策のご相談で最も多い質問の一つです。結論から言うと、成年後見制度は開始時の一時費用後見人への継続報酬の2段階で費用が発生し、後者は本人が亡くなるまで続きます。

EXPERIENCE|この記事を書いた理由

成年後見の費用感を正確に把握しないまま「とりあえず後見人をつければ安心」と考えているご家族に、何度もお会いしてきました。行政書士として家族信託の設計に携わる立場から見ると、後見人報酬は一度発生すると本人が亡くなるまで止められません。この「継続コスト」の実感を、数字で正直にお伝えしたいと思います。

この記事では、成年後見制度にかかる費用の内訳と、財産額別の報酬目安、そして家族信託との費用比較を解説します。

COST BREAKDOWN

結論:費用は「開始時」と「継続」の2段階

費用の種類目安
申立て費用(印紙・切手・鑑定費用など)数千円〜10万円程度(鑑定の有無で変動)
申立て手続きの専門家報酬10万円〜20万円程度
後見人への継続報酬(月額)月2万円〜6万円程度 ×存命期間

このうち、家族にとって最も負担が大きいのは後見人への継続報酬です。これは一度きりの費用ではなく、本人が亡くなるまで、あるいは後見が終了するまで毎月(実務上は年1回まとめて)発生し続けます。

HOW IT'S DECIDED

後見人報酬は誰が、どうやって決めるのか

後見人報酬は、後見人が家庭裁判所に「報酬付与の申立て」を行い、家庭裁判所が本人の財産状況や後見事務の内容を考慮して金額を決定します。後見人が勝手に金額を決めて財産から差し引くことはできません。目安として、管理財産額に応じた基準額が公表されている家庭裁判所もあります。

管理財産額の目安月額報酬の目安年間換算
1,000万円以下月2万円程度年24万円程度
1,000万〜5,000万円月3万〜4万円程度年36万〜48万円程度
5,000万円超月5万〜6万円程度年60万〜72万円程度

上記はあくまで目安であり、実際の金額は家庭裁判所の判断、後見事務の困難度(不動産売却や訴訟対応の有無など)によって変動します。また、不動産の売却や大きな財産処分など、特別な事務を行った場合は「付加報酬」が別途発生することもあります。

⚠ 「費用がかさむから途中でやめる」ことはできない

成年後見は、一度開始すると本人の判断能力が回復するか、死亡するまで原則として終了できません。「思ったより費用がかかるので後見人を解任したい」という理由で自由にやめることはできず、この継続性こそが最大の注意点です。

COMPARE WITH TRUST

家族信託との費用比較:長期で見ると差は大きい

家族信託は契約時に数十万円程度の設計費用がかかりますが、その後の継続コストは基本的にありません。一方、成年後見制度は開始時の費用こそ抑えられるものの、継続報酬が本人の存命期間にわたって発生します。仮に後見が10年間続いた場合、管理財産額1,000万円台のケースでも240万円〜480万円程度の負担になり得ます。

比較項目家族信託成年後見制度
開始時の費用数十万円程度(契約設計・公正証書作成費用)数千円〜30万円程度
継続費用基本なし年24万〜72万円×存命期間
10年間の総額目安(財産1,000万円台の場合)数十万円のみ300万円前後になることも

ただし、家族信託と成年後見は目的や機能が異なる制度です。家族信託は財産管理・処分に特化しており、施設入居契約などの「身上監護」には対応できません。身上監護が必要なケースでは、任意後見契約を組み合わせる、あるいは家族信託で財産管理をカバーしつつ必要な範囲だけ任意後見を利用する、という設計も検討されます。

CASE

想定シチュエーション:費用感の違いを実感した例

※ プライバシー保護のため、典型的なご相談パターンを再構成した想定事例です。特定の個人を表すものではありません。

郡山市の実家を持つ首都圏在住の50代のご家族。父親が認知症と診断された後に成年後見の申し立てを行い、第三者の専門職後見人が選任されました。管理財産額は約1,800万円で、月額報酬は3万5,000円。父親の存命期間が8年続いた場合、総額で336万円の後見人報酬が発生する計算になり、想定していた費用感との差に驚かれていました。

FAQ

よくある質問

Q

家族が後見人になれば報酬は発生しませんか?

家族が後見人になった場合でも、家庭裁判所に報酬付与の申立てを行えば報酬を受け取ることができます。ただし、家族が無報酬で対応するケースもあり、これは各家庭の判断によります。いずれにせよ、後見人に誰が選ばれるかは家庭裁判所の判断であり、家族が指定できるとは限りません。

Q

不動産の売却など特別な仕事をすると、報酬は上がりますか?

不動産の売却や訴訟対応など、通常の後見事務を超える特別な業務を行った場合、基本報酬とは別に「付加報酬」が加算されることがあります。これも家庭裁判所が個別の事案に応じて判断します。

SUMMARY

まとめ

✅ 成年後見制度の費用は「開始時の一時費用」と「後見人への継続報酬」の2段階

✅ 後見人報酬は月2万〜6万円程度が目安で、管理財産額に応じて家庭裁判所が決定する

✅ 報酬は本人が亡くなるまで継続し、途中でやめることは原則できない

✅ 家族信託は継続コストが基本なく、長期で見ると成年後見より費用を抑えられるケースが多い

APPLY NOW

成年後見と家族信託、どちらが合うかは財産状況とご家族の状況によります。まずは無料の実家健康診断で現状を数値化し、判断材料を揃えてみてください。

実家健康診断(無料)を申し込む ▶

家族信託の費用感やワンストップ体制については、実家承継ワンストップサービスの詳細もあわせてご覧ください。

監修:行政書士・宅地建物取引士 深沢文敏(登録番号 第14130403号)

※ 後見人報酬は家庭裁判所が個別に決定するため、実際の金額は本記事の目安と異なる場合があります。
※ 家族信託の契約行為自体は司法書士・弁護士が行います。当事務所は家族信託の設計・契約書案の作成・公証役場との調整・不動産売却を担当し、必要に応じて提携司法書士と連携します。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断を保証するものではありません。