実家じまいで家の買取と仲介、どちらが得か比較

実家じまいで家の買取と仲介、どちらが得か比較

実家じまいで家の買取と仲介、どちらが得か比較

深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

AUTHOR

深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 🏠 郡山5年在住・震災経験

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に5年間居住し、東日本大震災を現地で経験。マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題や災害への備えを現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

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実家じまいで不動産を売却する際、多くの方が迷うのが「買取」と「仲介」のどちらを選ぶかです。結論から言うと、この2つは優劣ではなく、優先したいものが「スピード」か「価格」かによって選び方が変わります。

EXPERIENCE|この記事を書いた理由

宅地建物取引士として不動産売却に関わる中で、買取と仲介のどちらが合うかは「物件の状態」よりも「ご家族の状況と時間的余裕」で決まることの方が多いと感じています。法務と不動産を一人で見ているからこそ、「今すぐ売る必要があるか」という判断を、同じ文脈でお伝えできます。

この記事では、買取と仲介それぞれの特徴を比較し、実家じまいの場面でどちらを選ぶべきかの判断基準を解説します。

COMPARE

結論:買取と仲介の違い

比較項目買取仲介
売却スピード早い(数週間〜1ヶ月程度)数ヶ月〜半年以上かかることも
売却価格市場価格より低くなる傾向市場価格に近い金額が期待できる
内覧・広告対応不要なケースが多い内覧対応や広告掲載が必要
契約不適合責任免責されるケースが多い売主が負うのが一般的

買取は不動産会社が直接購入するため、仲介活動(広告掲載・内覧対応・買い手探し)が不要で、スピードを優先できます。一方、仲介は市場で買い手を探すため時間はかかりますが、市場価格に近い金額での売却が期待できます。

BUYOUT FIT

実家じまいで買取が向いているケース

  • 遠方在住で、何度も現地に足を運んで内覧対応をするのが難しい
  • 建物の老朽化が進んでおり、仲介での買い手探しに時間がかかりそうな場合
  • 親の介護費用や施設入居費用の準備など、資金化を急ぐ事情がある
  • 相続や認知症対策の期限が迫っており、早期に手続きを完了させたい

AGENCY FIT

実家じまいで仲介が向いているケース

  • 立地条件が良く、一定の需要が見込める物件
  • 売却までの期間に余裕があり、少しでも高く売りたい
  • 建物の状態が比較的良好で、そのままの状態でも買い手が見つかりやすい

WHY LOWER

買取価格が仲介より低くなる理由

買取価格が市場価格より低くなるのは、不動産会社が買い取った後、リフォームや再販活動を行ってから転売するためです。その分の手間とリスクを見込んで買取価格が設定されるため、一般的に市場価格の7〜8割程度が買取相場の目安といわれます。ただし、これは物件の状態や立地によって幅があり、老朽化が進んだ物件では差がさらに大きくなることもあります。

CAUTION

判断を誤りやすいポイント:「相場を知らないまま」決めてしまう

買取と仲介、どちらが得かを判断するには、そもそも実家がいくらで売れるのか、市場価格の目安を知っておく必要があります。ところが、この「相場を知る」段階で不動産一括査定サイトを利用すると、複数の地方業者から親の携帯に一斉に営業電話がかかるケースがあり、そこで話が止まってしまうことも少なくありません。

買取と仲介、どちらが自分たちの状況に合っているかを判断するためにも、まずは静かに相場を把握できる相談先を選ぶことが大切です。机上査定であれば、現地訪問や個人情報の広範な提供を伴わずに、おおよその価格帯を知ることができます。

ONE WINDOW

法務対策と売却方法は、同じ窓口で検討するのが望ましい理由

実家じまいの売却方法(買取か仲介か)を決める際は、家族信託や相続の状況とあわせて検討する必要があります。たとえば、家族信託を組んだ実家を売却する場合、信託契約の内容によって売却の進め方が変わることがあります。法務担当者と不動産担当者が別々の窓口だと、双方の情報共有に時間がかかり、結果として売却のタイミングを逃してしまうこともあります。

法務と不動産、両方の知見を持つ窓口に相談することで、「今の状況なら買取と仲介、どちらが合っているか」をまとめて判断してもらいやすくなります。特に、親の判断能力に不安がある場合は、法務上の制約(契約が有効に結べるかどうか)が売却方法の選択に直接影響するため、両方を同時に見られる体制が重要です。

LOCAL NOTE

郡山・宇都宮・仙台エリアの売却で意識したいこと

地方都市の不動産市場は、首都圏に比べて買い手の母数が限られるため、仲介での売却期間が長引きやすい傾向があります。特に築年数が古く駅から離れた立地の物件は、仲介での成約に半年以上かかることも珍しくありません。このような立地・築年数の物件では、早い段階で買取も選択肢に入れておくと、判断のスピードが上がります。

一方で、郡山・宇都宮・仙台は東北新幹線沿線という地理的な優位性があり、駅周辺や再開発エリアに近い物件では一定の需要が見込めるケースもあります。地元の相場観を持つ専門家に、まずエリア特性を踏まえた査定を依頼すると、買取・仲介いずれを選ぶにしても判断材料が増えます。

COST

買取・仲介それぞれで発生する諸費用

売却方法を比較する際は、成約価格だけでなく諸費用も含めて考える必要があります。仲介の場合、成約価格に応じた仲介手数料(法律で上限が定められています)が発生するのに対し、買取では仲介手数料が発生しないケースが多く、その分の差が価格差を一部相殺することもあります。また、解体を伴う場合は解体費用、測量が必要な場合は測量費用など、物件の状態によって追加費用が発生する点も比較材料に加えておきましょう。

OPTION

「買取保証付き仲介」という選択肢

買取と仲介の中間的な選択肢として、「買取保証付き仲介」というサービスを提供する不動産会社もあります。これは、一定期間は仲介で買い手を探し、期間内に売却できなかった場合はあらかじめ決めた価格で買取に切り替える仕組みです。時間に余裕はあるものの、確実に売却を完了させたいという場合には、検討の価値がある選択肢です。

CASE

想定シチュエーション:買取と仲介、判断が分かれた例

※ プライバシー保護のため、典型的なご相談パターンを再構成した想定事例です。特定の個人を表すものではありません。

買取を選んだケース

地方都市の築40年超の実家。親がすでに施設に入居しており、固定資産税と管理費だけが継続してかかっている状態でした。老朽化が進んでいたため仲介での買い手探しに時間がかかることが予想され、早期の資金化を優先して買取を選択。査定から契約まで約3週間で完了しました。

仲介を選んだケース

駅から徒歩圏内の比較的状態の良い実家。売却までに半年程度の余裕があったため、仲介を選択し、複数の内覧を経て市場価格に近い金額で成約しました。

FAQ

よくある質問

Q

買取と仲介、両方に相談してから決めることはできますか?

可能です。むしろ、両方の見積もりや条件を比較したうえで判断することをおすすめします。同じ窓口で両方の選択肢を提示してもらえると、比較の手間を減らせます。

Q

買取を選んだ場合、契約不適合責任はどうなりますか?

買取では契約不適合責任が免責されるケースが多く、売却後に建物の不具合が見つかっても責任を問われにくいという特徴があります。一方、仲介では売主が一定期間、契約不適合責任を負うのが一般的です。契約条件は個別に確認するようにしてください。

Q

家族信託を組んだ実家でも、買取・仲介の選択は自由にできますか?

信託契約の内容によります。多くの場合、受託者(信託を託された家族)が信託の目的に沿って売却方法を判断できますが、契約書の記載によっては制限がかかることもあります。信託契約書を作成する段階で、将来の売却方法についてもある程度の方向性を盛り込んでおくと、後の判断がスムーズになります。

Q

空き家のまま長期間放置してしまった場合、買取・仲介どちらが有利ですか?

放置期間が長い空き家は、老朽化が進んでいる分、仲介での買い手探しに時間がかかりやすく、買取が現実的な選択肢になりやすい傾向があります。ただし、立地によっては解体・更地化してからの売却で市場価格に近い金額が狙えるケースもあるため、まずは現状の査定を受けてから判断することをおすすめします。

FINAL CHECK

売却方法を決める前の最終チェック

買取・仲介いずれを選ぶ場合でも、契約前に確認しておきたいのが、境界確認資料の有無と、名義が正しく整理されているかどうかです。境界が未確定のまま売却活動を始めると、契約直前になって測量のやり直しが必要になり、想定していたスケジュールが崩れることがあります。売却方法の検討と並行して、こうした基礎情報の確認も進めておくと、契約までの流れが滞りにくくなります。

SUMMARY

まとめ

買取と仲介、どちらが「得」かは一概には決められません。優先したいのがスピードか価格か、そして物件の状態や立地によって、最適な選択肢は変わります。まずは相場と法務面の状況を同じ窓口でまとめて把握し、そのうえで判断することが、後悔のない売却につながります。

  • 買取はスピード重視、仲介は価格重視という違いがある
  • 遠方在住・老朽化した物件・資金化を急ぐ事情がある場合は買取が向いている
  • 立地が良く時間に余裕がある場合は仲介で市場価格に近い売却を狙える
  • 買取価格は市場価格の7〜8割程度が目安とされるが、物件の状態により幅がある
  • 判断の前提となる「相場」を知る段階で、営業電話のリスクがある査定方法は避けたい
  • 家族信託や相続の状況と売却方法は、同じ窓口でまとめて検討すると判断がスムーズ

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監修:行政書士・宅地建物取引士 深沢文敏(登録番号 第14130403号)

※ 机上査定額は概算であり、実際の売却価格を保証するものではありません。
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断を保証するものではありません。