親の判断能力が心配になったら最初にすべき3つのこと

親の判断能力が心配になったら最初にすべき3つのこと

親の判断能力が心配になったら最初にすべき3つのこと

深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

AUTHOR

深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 🏠 郡山5年在住・震災経験

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に5年間居住し、東日本大震災を現地で経験。マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題や災害への備えを現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

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帰省のたびに「あれ、前と違うかも」と感じる瞬間はありませんか。同じ話を繰り返す、通帳の記帳が止まっている、日用品を重複して買っている——こうした小さな変化に気づいたとき、多くの方は「病院に連れて行くべきか」「まだ様子を見るべきか」で迷います。

EXPERIENCE|この記事を書いた理由

「病院に連れて行くべきか、まだ早いか」という相談を受けるたびに、実は最初にすべきことは医療機関の受診ではなく、法務・不動産の現状把握だとお伝えしています。診断を急かすことは、親御さまとの関係を損なうリスクもあります。行政書士としてできることから始める——その順番をお伝えしたくて、この記事を書きました。

この記事では、判断能力の変化が心配になったときに、まず取るべき3つの行動を解説します。

FIRST 3 STEPS

結論:診断より先に、この3つを行う

01

変化を記録する

02

実家の名義・財産状況を整理する

法務対策の要否を専門家に相談する

重要なのは、「医療機関を受診させる」ことを最初のステップに置かないことです。もちろん健康面の確認は大切ですが、法務・不動産の対策は診断結果を待たずに動き出せます。むしろ、対策の検討自体は診断の有無に関わらず、判断能力があるうちに進めておくべきものです。

STEP 1

① 変化を記録する

「気になる」という感覚だけでは、専門家に相談する際の判断材料として弱くなります。以下のような変化があれば、日付とともにメモしておくことをおすすめします。

  • 同じ話を短時間のうちに繰り返す
  • 通帳の記帳や請求書の支払いが滞っている
  • 同じ日用品を重複して購入している
  • 約束の日時を忘れる、あるいは間違える
  • 物の置き場所を忘れて探し物が増えた

記録は診断のためだけでなく、後に家族信託や任意後見を検討する際、専門家が意思能力の状況を把握する材料にもなります。

STEP 2

② 実家の名義・財産状況を整理する

判断能力の低下が進む前に、実家の名義がどうなっているか、預貯金や不動産などの財産がどこにどれだけあるかを把握しておくことが重要です。これは親御さまの資産を「管理する」ためではなく、将来の対策(家族信託など)を検討する際の前提情報として必要になります。

登記簿謄本の取得、通帳・保険証券の所在確認など、できる範囲から着手しておくと、後の専門家相談がスムーズに進みます。

STEP 3

③ 法務対策の要否を専門家に相談する

記録と財産状況の整理ができたら、家族信託や任意後見などの対策が必要かどうかを専門家に相談します。この段階では、まだ結論を急ぐ必要はありません。「今の状態でどこまで対策できるか」を確認するだけでも、今後の見通しが立ちます。

⚠ 医療の診断を待ってから法務相談する必要はありません

「病院で診断が出てから専門家に相談しよう」と考える方もいますが、この順番は必ずしも最適ではありません。むしろ、診断が出る前、判断能力に問題がないうちに法務相談を済ませておく方が、対策の選択肢が広く残ります。心配になった時点で相談することに、早すぎるということはありません。

TALKING TO PARENTS

親にどう切り出すか

「認知症が心配だから対策したい」とストレートに伝えると、親御さまが不安や反発を感じることがあります。「入院したときに家族が困らないための準備」「万が一のときに、お母さん・お父さんの意思を尊重するための備え」というように、本人を主語にした伝え方をすると、受け止めてもらいやすくなります。

CASE

想定シチュエーション:記録から対策につながった例

※ プライバシー保護のため、典型的なご相談パターンを再構成した想定事例です。特定の個人を表すものではありません。

郡山市の実家を持つ首都圏在住の40代のご家族。帰省の際に母親が同じ話を何度も繰り返すことに気づき、以後、変化をメモに残すように。3ヶ月後、記録をもとに実家健康診断を実施したところ、認知症・家族信託の項目でリスク「高」と診断。医療機関の受診と並行して家族信託の検討を始め、母親が軽度認知障害と診断される前に信託契約を締結できました。

FAQ

よくある質問

Q

心配な変化があっても、本人が病院に行きたがらない場合はどうすればいいですか?

医療機関の受診を強要すると、かえって関係がこじれることがあります。まずは記録を続けながら、法務面の相談を先に進めることもできます。健康診断のついでに相談する、家族の集まりの機会に自然に話題にするなど、無理のない方法を検討してみてください。

Q

記録した内容は、専門家に見せる必要がありますか?

必須ではありませんが、参考情報として共有すると、専門家が現状をより正確に把握する助けになります。特に、意思能力の判断が必要な場面では、日々の変化の記録が有用な材料になることがあります。

SUMMARY

まとめ

✅ 判断能力の変化が心配なら、まず「変化の記録」「財産状況の整理」「専門家への相談」の順に進める

✅ 医療機関の診断を待たずに、法務相談は早い段階で進められる

✅ 親への伝え方は「本人のための備え」という視点で切り出すと受け入れられやすい

✅ 心配になった時点で相談することに、早すぎるということはない

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監修:行政書士・宅地建物取引士 深沢文敏(登録番号 第14130403号)

※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の医学的判断・法的判断を保証するものではありません。判断能力に関するご心配がある場合は、医療機関への相談もあわせてご検討ください。