一人暮らしの兄弟が実家に住んでいる場合の相続

一人暮らしの兄弟が実家に住んでいる場合の相続
実家に一人暮らしの兄弟(姉妹)が住んでいる——このケースは、相続の場面で特有の難しさがあります。「住み続けたい」気持ちと、他のきょうだいの相続分をどう両立させるか、整理して考えます。
📋 結論
「住んでいること」と「相続すること」は別問題です。実家を相続する代わりに他の相続人へ代償金を支払う「代償分割」が現実的な選択肢になることが多く、早めに実家の評価額を把握しておくことが鍵になります。
執筆:行政書士 深沢文敏(登録番号:第14130403号)|クロフネ行政書士事務所|qulofune-office.jp
なぜこのケースは対立しやすいのか
実家に住んでいる兄弟は「ずっとここで暮らしてきたのだから」という思いがあり、実家を離れて暮らす他のきょうだいは「自分にも相続分がある」という思いがあります。どちらも間違いではないため、感情的な対立に発展しやすいのがこのケースの特徴です。
現実的な選択肢:代償分割という方法
実家に住む兄弟が実家を相続し、その代わりに他の相続人へ相続分に相当する金銭(代償金)を支払う「代償分割」という方法があります。実家に住み続けたい人と、金銭的な取り分を確保したい人、双方の希望を両立しやすい方法です。ただし、代償金を支払えるだけの資力があるかどうかが前提になります。
早めに準備しておきたいこと
相続が発生してから実家の評価額を調べ始めると、話し合いが長引く原因になります。宅地建物取引士の視点から実家のおおよその評価額を事前に把握しておく、あるいは親御さまが元気なうちに家族信託や遺言書で方針を明確にしておくことで、いざというときの混乱を減らせます。
まとめ
- 「住んでいること」と「相続すること」は法的に別の問題
- 実家を相続し、代償金を支払う「代償分割」が現実的な選択肢になりやすい
- 代償金を支払えるだけの資力があるかが前提条件
- 配偶者居住権はこのケースには直接適用されない
- 実家の評価額を早めに把握しておくと話し合いがスムーズになる
よくある質問
Q. 実家に住んでいる兄弟は、そのまま住み続けられますか?
A. 親御さまがご存命の間はそのまま住み続けられますが、相続発生後は遺産分割協議によって取り扱いが決まります。
Q. 同居している兄弟が実家を相続する場合、他のきょうだいはどうなりますか?
A. 代償金を支払う「代償分割」という方法が一般的です。実家の評価額や資産状況によって選択肢が変わります。
Q. 配偶者居住権とはどのような制度ですか?
A. 配偶者が自宅に住み続けられる権利で、今回のような兄弟間のケースには直接適用されません。
Q. 話し合いが難航しそうな場合、早めに準備できることはありますか?
A. 実家の評価額の把握や、家族信託・遺言書で方針を明確にしておくことがトラブル回避につながります。
Q. 実家健康診断を申し込むと営業電話がかかってきますか?
A. 一切ありません。行政書士には守秘義務が課されています。
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AUTHOR
深沢 文敏
家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区
一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に居住し、マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題を現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。
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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断を保証するものではありません。

