親が認知症になる前にやること30項目|実家・預金・契約・スマホを確認

親が認知症になる前にやること30項目

先に結論

親が認知症になる前に最初にすることは、制度を選ぶことではなく、本人の希望と家族が知らない情報を整理することです。実家、預金・財産、保険・契約、医療・介護、スマホ・デジタルなどを確認し、必要な制度や専門家はその後に検討します。

「まだ元気だから、財産や実家の話はもう少し先でいい」。そう考えているうちに、本人の意思確認が難しくなることがあります。

一方で、不安になってすぐ「家族信託」「成年後見」と制度選びから始める必要もありません。何を持っているか、どこにあるか、本人はどうしたいかを先に整理する方が、次の判断がしやすくなります。

このチェックリストは、特定の制度をすすめるためのものではありません。まず「何が分かっていて、何が分からないか」を30項目で整理します。

AUTHOR / 最終更新 2026-09-15

深沢 文敏(ふかさわ ふみとし)

クロフネ行政書士事務所 代表。行政書士(埼玉県行政書士会)・宅地建物取引士(埼玉県知事登録)。実家・財産・契約・スマホを横断して「家族が何を知らないか」を整理し、必要な専門家へつなぐ支援を行っています。決めるのはご家族、整えるのが私たち、という立場です。

認知症になる前に、なぜ情報整理が必要?

認知症という診断名だけで、全員の法律行為が一律にできなくなるわけではありません。重要なのは、個々の場面で本人の判断能力や意思確認が問題になることです。

成年後見制度には、判断能力が不十分になった後の法定後見と、本人が十分な判断能力を有するうちに契約しておく任意後見があります。だからこそ、本人が元気な段階で「希望と情報」を整理しておく意味があります。

6分野 × 5項目で確認します

① 本人の希望 ② 実家・不動産 ③ 預金・財産 ④ 契約・支払い ⑤ 医療・介護 ⑥ スマホ・デジタル

親が認知症になる前に確認する30項目

① 本人の希望

  • □ 1 今の家に、できればいつまで住みたいか
  • □ 2 自宅での生活が難しくなった場合、どんな希望があるか
  • □ 3 実家を将来どうしたいか
  • □ 4 家族のうち、主に誰に相談してほしいか
  • □ 5 「してほしくないこと」は何か

② 実家・不動産

  • □ 6 土地・建物の名義
  • □ 7 住宅ローン・抵当権の有無
  • □ 8 固定資産税納税通知書の保管場所
  • □ 9 火災保険・地震保険の契約先
  • □ 10 権利証・登記識別情報・測量図・境界資料の保管場所

③ 預金・財産

  • □ 11 利用している銀行名
  • □ 12 証券会社・投資商品の有無
  • □ 13 生命保険の契約先
  • □ 14 借入れ・保証債務の有無
  • □ 15 印鑑・重要書類の保管場所

④ 契約・支払い

  • □ 16 電気・ガス・水道の契約名義
  • □ 17 電話・インターネット・スマホ契約
  • □ 18 クレジットカード
  • □ 19 毎月・毎年の定期的な支払い
  • □ 20 新聞・宅配・警備・管理などの継続契約

⑤ 医療・介護

  • □ 21 かかりつけ医
  • □ 22 服用している薬
  • □ 23 介護保険・ケアマネジャーなどの利用状況
  • □ 24 緊急時に最初に連絡してほしい家族
  • □ 25 入院時に必要な書類・保険証などの場所

⑥ スマホ・デジタル

  • □ 26 スマホの通信会社
  • □ 27 主なメールアドレス
  • □ 28 ネット銀行・ネット証券の利用有無
  • □ 29 SNS・サブスクなどの利用サービス
  • □ 30 写真・重要データの保存場所

30項目を一度に質問しないでください。家族会議を「取り調べ」にしないことが大切です。「保険の書類ってどこだっけ?」「もし入院したら、私が知っておいた方がいいことある?」「スマホはどこの会社?」という日常会話から、少しずつ確認します。

確認できない項目が多いと、すぐ家族信託や後見が必要?

いいえ。チェックが多いことと、特定の制度が必要なことは同じではありません。本人の判断能力、財産の構成、家族関係、今後の希望によって適切な方法は変わります。

制度いつ使うものか
任意後見本人に十分な判断能力があるうちに、将来の任意後見人や委任する事務を公正証書であらかじめ定めておく制度
法定後見判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所が後見人等を選任する制度

どちらを検討するにしても、先に整理しておいた情報がそのまま相談材料になります。制度から入らず、情報から入る理由はここにあります。

親に聞きにくいときは、どう切り出す?

「認知症になったら困るから」「相続のために」と切り出すより、親を助けるために知っておきたいという文脈にします。

「もし急に入院したら、私が知っておいた方がいい連絡先ある?」

「固定資産税の通知って、どこに置いてある?」

「スマホが壊れたら、どこの会社に聞けばいい?」

話し方そのものは、親に相続の話をどう切り出す?家族会議10項目で詳しく扱っています。

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親に渡す前に、まず子世代が「自分は何を知らないか」を確認する使い方がおすすめです。

よくある質問

Q. 親が元気なのに財産の話をするのは早すぎませんか?

財産額を細かく聞き出す必要はありません。「利用している銀行名」「重要書類の場所」など、緊急時に家族が困らない最低限の情報から始めます。

Q. 認知症になると銀行口座は自動的に使えなくなりますか?

認知症という診断名だけで一律に同じ扱いになる、と単純化はできません。実際の取引では本人確認や意思確認が必要になる場面があります。個別の金融機関の取扱いは各行へご確認ください。

Q. 任意後見はいつ契約する制度ですか?

法務省は、本人が十分な判断能力を有する時に、将来の任意後見人や委任事務を公正証書であらかじめ定める制度と案内しています。

Q. まず専門家に相談するなら、何を整理すればいい?

実家の名義、預金・保険などの種類、家族構成、本人の希望、困っている場面を大まかに整理したメモがあると、相談が進みやすくなります。

次に使う無料ツール

一次情報・参考

本ページは一般的な情報整理を目的としたもので、個別事案への法的助言ではありません。成年後見、任意後見、家族信託などの利用要否は、本人の判断能力、財産状況、家族関係などにより異なります。当事務所は行政書士事務所です。不動産の名義変更(相続登記)は司法書士税務は税理士相続人間の紛争や代理交渉は弁護士の取扱業務となります。

決める前に、家族で「分かっていないこと」を整理する。

クロフネ行政書士事務所は、制度を先に売るのではなく、実家・財産・契約・スマホを横断して交通整理します。決めるのはご家族です。

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深沢文敏・家族資産コンシェルジュ・行政書士・宅地建物取引士

AUTHOR

深沢 文敏

家族資産コンシェルジュ|行政書士(登録番号 第14130403号)・宅地建物取引士
クロフネ行政書士事務所 代表/さいたま市大宮区

📰 メディア掲載 50媒体超 📚 著書 3冊 🏠 郡山居住・不動産所有経験あり

一部上場企業を退職後、行政書士として独立。法務書類の作成権限を持つ行政書士と、不動産売買を媒介できる宅地建物取引士の両資格を保有。郡山市(開成・鶴見坦エリア)に居住し、マンションを所有していた経験から、地方都市の不動産が抱える課題を現場感覚で把握している。日本経済新聞・朝日新聞・NewsPicks・TBS NEWS DIGほか50媒体超に掲載。

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